理学療法士は今すぐ副業をした方がいい理由 パート①給料が伸びない
理学療法士というのは専門職である。
よって、国家試験に受かったその日から、理学療法士になったその日から、
専門性を高め、突き詰める方がいい。
僕が理学療法士になった当初はそう思っていました。
しかし今ははっきりと断言できます。
本業とは別に副業をした方がいいと。
今回は理学療法士が副業をした方がいい、その理由を僕なりに述べたいと思います。
大きく分けると次の3つになります。
- 今後給料が増えないから
- 将来的に解雇されたり、再就職しにくくなるから
- 専門性を高めるためにはお金が必要だから
本記事では①今後給料が増えないからについてみていきたいと思います。
理学療法士1人が病院で稼げる金額は決まっている
公務員は話が別ですが、一般的な私立の病院や施設に勤める理学療法士は給料が増えにくい仕組みになっています。
なぜかというと、
1人のセラピストが稼げる(利益を出せる)金額はだいたい決まっているからです。
例えばですが、施設基準Ⅰに勤める理学療法士が脳卒中の患者さんを20分(1単位)リハビリして病院が得られる報酬は2450円(245点)です。
仮に1日20単位、脳卒中の患者さんばかり担当してリハビリした場合、
2450円×20単位=49000円 約50000円 となります。
1か月に22日出勤し、脳卒中の患者ばかり担当したとすると、稼げる金額は
50000円×22日=1100000円 約100万円 となります。
実際は脳卒中の患者さんばかりを診療することはなく、報酬単価の低い整形疾患や廃用症候群の患者さんもリハビリします。
理学療法士はどれだけいい治療をしても、どれだけやる気があっても月に100万円しか稼げないのです。
当然ですが、この100万円はすべてが病院の利益になるわけではありません。
セラピストの給料を算出し、さらに会社負担の社会保険を算出し、事務方として働くクラークさんの給料、リハビリ室の物品やセラピストの制服クリーニングなどの雑費などに使われます。
そしてすべての必要経費を省いて残ったものが病院の利益になります。
100万円という枠組みの中から利益を出すためには、個人の給料にはそんなに還元できないというわけです。
医療業界は努力を利益に還元できない仕組みである
これが例えば、自動車を売る営業マンの仕事でみていくとどうでしょう。
コミュニケーション力や商品の勉強を熱心に行った努力家の営業マンが、300万円の自動車を1か月に5台売ったとします。
すると営業マン1人の売り上げは1か月に1500万円。
自動車を製造するには、部品やその部品を組み立てるスタッフなどの給料にもお金がかかります。
しかしそういった必要経費を差し引いても、そもそもの売り上げとしての金額が高額な分、会社が受け取る純利益も大きなものになります。
またリハビリ医療業界は1か月に稼げる金額に限度がありますが、こういった自動車産業なんかの場合だと、個人の営業努力や会社の経営努力によって稼げる金額は無限大です。
要は個人や個人の集合体である会社の努力が利益に還元できる業界であるというわけです。
実はリハビリ業界も昔は努力を利益に還元できる業界でした。
というのも、今は理学療法士が1週間にリハビリできる単位数(1単位=20分)は108単位と決まっていますが、少し前まではこの制限がありませんでした。
物理的に可能かどうかはさておき、やろうと思えば夜まで働いて1週間に150単位でもリハビリができたのです。
要するにやればやるほど病院に利益を還元できる、個人の努力が利益に還元できる産業だったのです。
しかし、ここ数年、日本の不景気や高齢者に使う社会保障費の増加により制度が厳しくなり、1週間にリハビリできる単位数は108単位という現状の制度になったというわけです。
そして、これからも日本という国は少子高齢化が進み、労働者が不足し生産性の低い国となることが予想されるため、昔のようにリハビリし放題に戻る可能性はないでしょう。
こういった産業構造から医療業界、リハビリ業界は今後も給料が増えにくい業界であると言えます。
副業は個人の努力が利益に還元される仕組みである
理学療法士になったその日から、医療業界に足を踏み入れたその日から僕たち個人はこういった産業構造に気づき、個人の努力で収入を増やせるよう努力する必要があります。
それにはどうすれば良いか?
僕なりの答えは2つです。
今すぐ副業するか、個人の努力が利益に還元できる産業に転職するかです。
僕は自分の性格上、新しい環境に慣れるのに時間がかかるため転職という選択肢はありありませんでした。
そして、この産業構造に気づいたのも最近です。
というよりも実は気づいていたけどある程度生活できる理学療法士で満足していたのでしょう。
しかし、結婚し、子供ができ生活スタイルや日常生活での支出額が多くなるにつれ、やはり個人で稼ぐ努力が必要だということに今気づきました。
社会人になって10数年、気づくのが遅いと言われればそれまでですが、僕の社会人人生はまだ数十年あります。
そしてこのブログをご覧になられている皆さんもきっとまだ若い方が多いと思います。
今すぐに結果が出なくてもいいと思います。
結果が出るのは1年後かもしれませんし、はたまた5年後かもしれません。
しかし、理学療法士1本だけで生活ができなくなるという未来を想定して今から行動していくことが大事ではないかと思います。